Magazine7選 2018年のことば10

2018年も残すところ一カ月を切りました。
流行語大賞が発表になりましたが、Magazine7では「2018年のことば10」を選び発表します。

発表!2018年のことば10

■甲斐キャノン

■そだねー。

■大迫半端ないって

■オオタニサーン

■おっさんずラブ

■ハズキルーペだーい好き。

■匂わせ

■赤坂自民亭

■災害級の暑さ

■高アル

解説

甲斐キャノン

福岡ソフトバンクホークス捕手の甲斐拓也選手の強肩を例えた表現。
小柄な甲斐選手がホームから放つ二塁への送球は速く正確で、二盗を試みるランナーをことごとく刺すことからキャノン砲という移動式大砲に見立ててこう呼ばれるようになりました。
ソフトバンクフォークスは今年パ・リーグ2位でしたがCSで西武を倒しSMBC日本シリーズに進出、セ・リーグ三連覇の広島に4勝1敗1分の成績で9度目のシリーズ制覇を果たし、日本一となりました。
甲斐選手はシーズン中盗塁阻止率12球団でトップ、シリーズ中は6連続盗塁阻止でMVPを獲得とチームに大貢献、2018年のゴールデングラブ賞も受賞しました。

甲斐選手は育成出身、武器の「肩」を磨くことで一軍に定着しました。
シーズン中は、パ・リーグでは西武がぶっちりぎで1位を独走していました。
それなのに、ソフトバンクが日本一というのは西武が気の毒でなりませんが、甲斐選手の活躍ぶりは文句なしで絶賛したいです。

Magazine7記事

そだねー。

冬季オリンピック平昌大会のカーリング女子日本代表が試合中に作戦を検討する際に、マイクを通して聞こえてきたフレーズ。
カーリングは不思議なスポーツです。まだこの競技がよく知られていない頃は、氷上なのにスケート靴もはかずに、ほうきで掃くってスポーツなの? といった印象で語られることが多くありました。
その後、何度かオリンピックを経験し、日本が強くなるにつれ、観戦する方も技術や戦略で高度なレベルの攻防を展開していることがわかりカーリングを見る目も育ってきました。
そして今年、私たちはカーリングで新たな見どころを発見したのです。
なんといってもLS北見のメンバーはキュートでした。
選手はもちろん、マリリンこと本橋麻里さんのサポートもOB世代にはたまりませんでした。
この方々が大舞台でも「そだねー」と協力し合っている姿は一服の清涼剤となりました。

大迫半端ないって

「大迫半端ないって。後ろ向きのボールめっちゃトラップするもん。そんなん出来ひんやん普通」と全国高校選手権大会の際負けたチームのキャプテンが、カメラの前で話したなかから有名になったことばです。
大迫選手の卓越した技能と運動能力をみごとに言い当てていて、ファンの間で広まりました。大迫半端ないTシャツにプリントされている顔が大迫選手でないのが「誰?」と不思議でしたが、この負けたキャプテンだったのです。

このことばはセネガル戦でゴールキーパーの川島選手が、パンチング失敗で痛恨の失点を喫した際「川島それはないって」と応用されました。

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オオタニサーン

大谷翔平選手が初勝利した二日後に初本塁打を打った時に、実況していたビクター・ロハスさんがマイクに向けて叫んだことば。
大谷選手は、今季メジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルスに移籍し、3月29日に二刀流でメジャーデビューしました。
開幕前のオープン戦では投打ともよい結果が出ず、懐疑的に見られた時期もありました。しかし、いざ開幕したら初打席で初安打、三日後には初登板で1勝を挙げる好スターを切りました。
そしてその二日後に初本塁打、「オオタニサーン」が飛びだしたのです。
この時、ダイアモンドを1周してベンチに戻った大谷選手を待っていたのがベンチのチームメイトからの大祝福、ではなくサイレントトリートメントでした。
サイレントトリートメントは、活躍した新人選手を完全に無視しているようなふりをして、選手がとまどっているところで、一斉に祝福の嵐を浴びせるという大リーグ流の新人歓迎のパフォーマンスです。
この時の大谷選手が知り合いの選手に自分からアピールして抱きついていく様子がかわいらしいと、日本のみならずアメリカでも評判になり、大谷選手の「愛されキャラ」が定着しました。
その後も順調すぎるほどの活躍で、最終的には投手として4勝2敗、防御率3.31。一方で打者としては打率2.8.5、本塁打22本、打点61、盗塁10の活躍を見せ、ア・リーグの最優秀新人に選出されました。
イチロー外野手が2001年に獲得していらい17年ぶりのことです。
一方故障も経験しました。6月に右肘の靭帯を損傷し、10月にはトミー・ジョン手術を受け、来年はバッターに専念するそうです。

おっさんずラブ

TV朝日系で2018年4~6月の土曜日深夜に放送されたドラマ。
男性上司から男性部下への愛、またそこにからんでくる後輩男性による三角関係を描く”純愛”ドラマです。
設定だけを見ると、絶対に見たくないと思います。
ところがこの男性上司が吉田鋼太郎で、むちゃくちゃ面白いんです。
不潔な感じ隠微な感じは全くなく、まっすぐでキリっとさえしています。
そして男性部下は田中圭、イケメンなのにバカっぽさ満載で、こちらも好印象です。
後輩男性は林遣都、顔はいいのになぜかダサい感じがまたいやらしくありません。
吉田剛太郎に離婚される妻の大塚寧々もかわいく爽やかです。

この番組は視聴率はそう高くないものの、SNSでの話題が沸騰し視聴率より”視聴熱”ということばも広めました。
その後の田中圭の人気が妙に高まっているのもこのドラマの人気が続いていることを感じさせます。
あるか、続編。

Magazine7記事

ハズキルーペだーい好き。

今年話題になったCMはこれで決まりでしょう。

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匂わせ

SNSで自分が特別に優越または幸せな状態にあることを、間接的な表現で暗示させること。
例えば、レストランで料理を映す際、高級時計をした男性の手首をあたかも「無意識に入っちゃった」ようにトリミングして、金持ち彼氏の存在を想起させたりするケース。
また、付き合っている相手が有名人で公にはできないけれど言いたくってしょうがなくて、彼に関連した場所やグッズなどを映り込ませて分かる人には分かるようにアピールしたりするケースなどがあります。
今年は、女優の剛力彩芽がワールトカップロシア大会の決勝を観戦に行った写真をSNSにアップし、「なんでそんなプレミアムチケットを手に入れられるの?」と、噂のお金持ちの社長を匂わせたところで、ZOZOTOWNの前澤友作社長も同じような写真をアップし一緒に行ったことが明白になったという大物の匂わせ事例が起こり、このことばが広まりました。

赤坂自民亭

赤坂の議員宿舎で行われた自民党議員の飲み会。
議員とはいえ、仲間と飲み会をするのは別にいいでしょう。
ところが日程が悪かった。飲み会が行われたのが7月5日。
この日は西日本豪雨前で気象庁からは警告が出されていて政府としての対応も求められる頃でした。
その飲み会には安倍首相も参加していて、写された集合写真を何人かの議員がネットに上げていたのです。
なかでも官房副長官の西村康稔氏はtwitterにアップしたことで次々に拡散され「国民が災害に巻き込まれそうなときにのんきになにごとか」と批判を浴びました。
その後の西村議員の”誤解を与えた”との対応も火に油を注ぐ結果となり大炎上する1件となりました。

「おれたち、いつもこんな風にソウリダイジンと飲んでんだぜ。しかも料亭とかでなくって庶民的にわいわいやってる国会議員のおれたちってイケてるでしょ。」というただでさえ、お友達内閣と揶揄されている方の周りではしゃぐ選民意識の高い方々の振舞いが鼻についた出来事でありました。

災害級の暑さ

まさか、41度のなかで生活するとは思いませんでしたが、今年はそれを体験してしまいました。「不要不急の外出は控えるように」との気象予報士の警告が頻発され、確かに暑気払いもためらってしまうほどの外気温の高さでした。
猛暑、酷暑では表現できない暑さから生まれたことばです。

高アル

アルコール度数が6~9%程度と高めの缶チューハイや缶ビール。
低価格で手軽に酔えるのが受け、ここ数年で新商品の発売が相次ぎ、今年の暑い夏にヒットしました。
今年人気だった商品

高アル缶チューハイ

 

メーカー 商品名 アルコール度
キリンビール キリン・ザ・ストロング 9%
サントリー マイナス196°ストロングゼロ 9%
アサヒビール もぎたて 9%
サッポロビール フォーナイン 9%

高アルビール系(第3のビール)

メーカー 商品名 アルコール度
キリンビール 本麒麟 6%
サントリー 8%
アサヒビール クリアアサヒ クリアセブン 7%
サッポロビール LEVEL9贅沢ストロング 9%

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