甲斐キャノン

福岡ソフトバンクホークスのキャッチャー背番号62、甲斐拓也(かいたくや)選手の異名です。

甲斐選手の経歴

甲斐選手は、大分県の楊志館高出身の25歳、2010年にドラフト育成の6巡目で育成選手として入団しました。
公式戦初出場は2014年で1試合でしたが、その後メキメキと頭角を現します。

2017年には103試合に出場し一気に開花、この年のベストナインと守備のスペシャリストに贈られるゴールデングラブ賞を受賞する活躍を見せました。
育成出身の選手がベストナインに選出されるのは初めての快挙ということでいきなり注目を浴びたのです。
今季は盗塁阻止率4割4分7厘でパ・リーグトップ。

キャノンの由来

甲斐選手の最大の武器は正確性を備えた強肩からのスローイングです。
このセカンドへの差し方がすごいすごい。

1塁ランナーが2塁に滑り込む、その足が伸びてくる位置にホームからまっすぐに差しこみます。
“もうここしかない”というセカンドベースのちょいファースト寄りのポイントにバチッとくるのです。
ランナーがそこに到達するまで、1秒くらいあるのでは? というくらい余裕のスピートです(まあ状況によりますが・・・)。

甲斐選手は身長が公称170センチと野球選手としてめぐまれた体格ではありません。でもこれを逆手にとって、「小さいし、手足も短い。だから低い位置から最短距離で送球できるのだ」と話しています。

この低くて正確で速い投球の様子からついたのが甲斐キャノン。
キャノンはキャノン砲のことで大砲の一種。初速が速く射程が長く鋭角に発射される特長があります。

ソ連製 152mmキャノン砲

活躍し始めた2017年の頃は甲斐バズーカといわれていましたが、2018年からは甲斐キャノンが定着してきました。

育成6位から

今年もプロ野球ドラフト会議が終わり、ドラ1から育成まで12球団の指名が決まりました。

各球団、支配下に1位~6,7,8位。
その下の育成が0~4位。
合計104名がプロ野球選手の道を歩み始めました。

甲斐選手は2010年ドラフトで育成の6位、最後の最後の指名でした。
この選手が今や押しも押されぬスター選手になりつつあるというわけです。

シーズン中ずーっと1位だった西武ではなく2位だったソフトバンクが勝ちあがっているのがもう一つひっかかりますが、甲斐キャノンは見たい、今年の日本シリーズです。

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