上原浩司投手のトリプル100がもう一つ盛り上がらない

巨人の上原浩司投手が2018年7月20日「トリプル100」の記録を達成したと話題になりました。
トリプルは勝利数・セーブ・ホールドです。
上原投手は勝利数は134をあげていて、セーブは128の記録を持っていて、今回ホールド100の記録が付いたことで「トリプル100」を達成となりました。
これは世界で二人目というのですから、すごい記録です。

上原投手といえば

上原投手といえば、プロに入ったのは1999年。
逆指名でドラフト1位で巨人に入団しました。
1年目の成績がすごかった。
・20勝
・最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の4冠
・新人王、沢村賞をも受賞
という活躍ぶり。
でも、彼は”高校生の時から甲子園で注目され鳴り物入りで”のタイプとは違いました。
大学出身でそれも早稲田・慶應などの六大学野球で活躍したでもなく、体育の教師を志して入学した大阪体育大学で野球をしていたといいます。
実力がスカウトの目に留まってプロの道へということですが、ドラ1のわりに地味な入団だったことは否めませんでした。

地味からのスタートながら、”むき身”で勝利を重ねたその真髄を自身が「雑草魂」と表現し、このことばはこの年の流行語大賞に選ばれました。

それから19年。
日本で10年間、アメリカ大リーグで9年間プレーし、2018年巨人に戻ってきました。
そして達成したのが日米通算100ホールド。

「おお、すごいホールドが100なんて」と反応した人はかなりの野球通の人といえましょう。

ホールドとは?

ホールドは新しいことばかと思ったら、全然違ってパリーグでは1996年から、セリーグでは2005年から使われていたということです。
中継ぎ投手ががんばった時に付く記録です。
どんなふうにがんばると付くかというと。
「セーブの条件もしくは同点を満たす状況で登板し、1死以上を奪い、リード(または同点)を保って降板した場合」です。
ちょっとよくわかりません。

「同点の時登板し、1死以上を奪い、同点を保って降板した場合」
これだとわかります。

 

「セーブの条件を満たす」というところがよくわからないので、これを詳しくみます。

「セーブの条件を満たす」とは
1)3点リードの場面で登場→1イニング以上投げる。
2)連続ホームランされたら同点になる場面で登場→リードを守り切る。
3)最低3イニング投げてリードを守り切る。

 

つまりセーブは「勝った!」の時にマウンドにいるピッチャーに付き、ホールドは最低1アウトをとったら次のピッチャーにバトンタッチして、最後のマウンドにはいないピッチャーに付く記録です。
※ちなみに、ホールドと別にホールドポイントがあり、ホールドポイントは「ホールド+セーブ」です。

勝った!の時にいない

ピッチャーは先発と、最終回勝った瞬間でないと目立ちません。
100ホールド記録達成の新聞記事にも「7回に登板。1イニングを無失点に抑えチームの士気を高めた」とあります。
地味。

ですが、上原選手は日米通算で134勝あげているのです。
セーブも128。
最初日本でバンバン勝利して、アメリカでセーブ、そしてホールドと状況に応じて自分の活躍の場を切り開き勝負し続ける、入団当初の「雑草魂」をそのまま持ち続けているのだなと思います。
もうひとつ盛り上がっていないトリプル100も、ホールドの意味がわかると輝いてみえてきます。

今年の日本のプロ野球のもう一つのトピックは、松坂大輔投手の復活です。
松坂投手は上原選手と同じ1999年に”高校生の時から甲子園で注目され鳴り物入りで”ドラフト1位で西武に入団しました。

松坂投手も1年目に16勝最多勝利の大活躍。千葉ロッテの黒木知宏投手との投げ合いで負けた際「リベンジします」と宣言したことで「リベンジ」が流行し、上原投手と同時に新語・流行語大賞を受賞しました。
松坂投手も、2017年に中日にテスト入団、2018年4月にDeNAに勝利し、4年ぶりにリベンジを果たしました。

今年は、20年後も「雑草魂」「リベンジ」を続ける二人に大注目です。

関連記事一覧