ゴラン高原の国連停戦ライン
「ゴラン高原」の記事にありますように、ゴラン高原をめぐるイスラエルとシリアの領土紛争は決着がついていません。
1973年に両者が戦った第4次中東戦争後の1974年に国連安全保障理事会は停戦決議350を出し、停戦ラインを引いて両国間の兵力引き離し地帯を設置しました。
そしてその引き離し地帯には停戦を監視する「国際連合兵力引き離し監視軍」(UNDOF)が派遣されています。
派遣は現在も継続していて、日本の自衛隊も1996年~2012年まで参加しました。
ゴラン高原の引き離し地帯の写真を、中東問題研究者で防衛大学校名誉教授の立山良司さんがご提供くださいましたので、紹介します。
兵力引き離しラインすぐ近くにあるドルーズ教徒の村マジュダル・シャムスの写真です。
手前側の建物はイスラエル占領地域内、向こう側の丘の上にある建物はシリア内です。
この地帯はイスラエル側とシリア側に設置されている2本の兵力引き離しラインの幅が狭く、イスラエル占領下とシリア在住のドルーズとが互いに叫びあって意思疎通ができるため、「叫びの谷」ともいわれているそうです。
もう一枚。
人は立ち入り禁止の兵力引き離しラインの間の無人地帯になぜか馬が2頭います。
「この馬のパスポートはどうなっているのか。」(立山氏談)
2019.03.31
ゴラン高原
2019年3月25日、アメリカのトランプ大統領はゴラン高原に対するイスラエルの主権を認める大統領令に署名しました。 イスラエルの首相ネタニヤフは大絶賛、アラブ諸国・イランが大反発しています。 ゴラン高原はどういった場所なのか、パレスチナ問題の流れとその時々のアメリカの態度に焦点をあててま...