大坂なおみ選手コメント「こんな終わり方ですみません」の力
大坂なおみ選手が全米オープンで優勝した表彰式で話したコメントが話題になっています。
インタビュアー
「四大大会決勝でセリーナに勝った思いは?」
大坂
「質問と違うことを話します。みんながセリーナを応援していたのは知っています。こんな終わり方ですみません。ただ言いたいのは、試合を見に来てくれてありがとう」
イ「日本人で初の四大大会制覇」
大「セリーナと全米決勝で戦う夢がかなってうれしい。試合をしてくれてありがとう」
優勝者インタビューにはみえないこのコメントが日本、そしてアメリカで注目された背景をまとめます。
セリーナ、大坂の実績
相手のセリーナ・ウィリアムスはウィリアムス姉妹の妹で36歳、1999年の全米オープンで17歳で初優勝してからは、四大大会通算23勝というとにかく強い女子であります。
2017年には出産し2018年は復帰のシーズンでした。
対する大坂は1997年生まれの20歳、2013年にプロ転向後5年目で頂点を目指すコートに駆け上がってきました。
レジェンドのアメリカ人vs名もなき駆け出しの日本人、会場はアメリカ。
当然大坂選手は完全アウェイです。
ギャラリーの応援はセリーナ一色。
この雰囲気が大ブーイングのうねりとなる出来事が起こります。
セリーナ選手が審判に警告を受けたのです。
試合はこび
この試合、第1セットは6-2で大坂が奪いました。
続く第2セット。
1ゲームはセリーナはボールを叩きつけるなどイライラをあらわにしながらも奪取。
[セ1 大0]
問題が2ゲームです。
ここで審判がセリーナがコーチから指導を受けたとして警告を出します。これに対しセリーナは激しく抗議します。
[セ1 大1]
そして3ゲーム。
セリーナはイライラが止まらずゲームの合間に抗議を続けます。
[セ2 大1]
4ゲーム。
[セ3 大1]
5ゲーム。
出ました、ラケット叩きつけ。ラケットは面が原型をとどめないほど破壊されました。
[セ3 大2]
6ゲーム。
ここでラケットの乱用でセリーナに2度目の警告、これによって大坂に警告ポイントが与えられます。
[セ3 大3]
7ゲーム。
主審を「盗人」よばわりし3度目の警告。
[セ3 大4]
8ゲーム。
怒りマックスで審判を激しく怒鳴り散らします。
[セ3 大5]
9ゲーム。
さらに怒鳴り続ける。
[セ4 大5]
10ゲーム
[セ4 大6]大坂優勝!
ブーイングから称賛の拍手へ
この試合の後に話したのが先のコメントです。
子どもの頃からの憧れだったスーパースターと同じ舞台に立ち、相手を限界に追い込んで勝利をつかんだ、その複雑な心境を素直に表現したことばはセリーナを正気に戻し、ブーイングが蔓延していた会場の空気を一変させたといいます。
試合中のセリーナの言動については集中していたのでよくわからないと話しています。あの状況を認識していないとは思えず、自分なりの消化ができている、いい方を変えればかなり図太い神経の持ち主といえます。
そしてその一方、思いをそのままことばにし人の情をとらえる繊細さも合わせもっています。
グローバル時代に活躍していくに必要なマインドを見せてくれた場面でした。