ロシアはなぜシリアを支援するのか

シリア内戦では、ロシアはシリアを支援している。
どのような背景があるのか。

シリアとロシアの関係が深まった3つのポイント

シリアとロシアは良好な関係にある。
この関係になったのには、歴史的にポイントが3つある。

①シリアはヨーロッパ列強に分割されたが、ロシアは加わっていなかった。
②シリアはソ連のマルクス・レーニン主義に共鳴した。
③シリアは東西冷戦期はソ連側につき軍事協力を築いた。

①シリアはヨーロッパ列強に分割されたが、ロシアは加わっていなかった。

「シリア」は現在の国境になる以前は、ずっと広い地域を表していた。
大シリアともいわれる。

現在の国境になったのは、第1次世界大戦後。
第1次世界大戦では、シリアが属していたオスマン帝国がイギリス、フランスに敗北。

「大シリア」は両者によって強制的に現在の国境を引かれ、シリアはフランスの支配下におかれることになった。
セーヴル条約のシリア

このシリア分割にロシアは加わっていなかった。
ロシアではロシア革命が起こり国が混乱していたからだ。

シリアはヨーロッパを敵視する一方、ロシアには悪い印象はなく、反ヨーロッパ、親ロシアの構図ができあがった。

②シリアはソ連のマルクス・レーニン主義に共鳴した。

ロシア革命で誕生したソ連は、階級などで差別されない政治をめざすマルクス・レーニン主義を掲げた。

フランスの支配下にあったシリアはこれに共鳴し、ソ連との関係を緊密化させていった。

③シリアは東西冷戦期はソ連側につき軍事協力を築いた。

東西冷戦期、ソ連は西側諸国に対抗するためシリアに軍事的、経済的支援を行った。
そしてシリアはソ連海軍の補給基地設置を認めた。
この基地は地中海沿岸のタルトゥースに位置し、対NATO戦略に重要な拠点となる。

2015年にはタルトゥース基地を補修し、ラタキア近郊に空軍基地を設置した。

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