スイス対セルビア戦、「双頭の鷲」ポーズのなぜ? を簡単に。
2018年6月22日行われたFIFAワールドカップ・ロシア大会のスイス対セルビア戦で、スイス代表の選手が両手のひらの胸の前で交差させ鷲の形を作ってアピールしたことが、FIFAの規律委員会で問題として取り上げられました。
「双頭の鷲」はアルバニアの国旗のエンブレムです。
アルバニア国旗
選手はアルバニア系のスイス人です。
選手は得点した際にセルビアに対しアルバニアの優位をアピールしたとみなされました。
アルバニア系の人とセルビアはオスマン帝国の支配下にあった19世紀から紛争を繰り返してきたという歴史があります。
焦点となるのがコソボです。
コソボはセルビアのなかの地方という存在でした。
セルビアにはセルビア人が多く住んでいますが、コソボにはアルバニア人が多く住んでいます。
セルビア人はセルビア正教を信仰し、アルバニア人はイスラムを信仰しています。
アルバニアは隣ですので、コソボとしては常日頃からアルバニアと一緒になりたいと考えていました。
おおまかな流れとして
19世紀 オスマン帝国支配下
1912年 第1次バルカン戦争(バルカン諸国vs当時支配していたオスマン帝国)後 ⇒ アルバニア
1913年 第2次バルカン戦争(ブルガリアvsオスマン帝国・セルビア) ⇒ セルビア
==この間自治権拡大を要求するコソボとそれを許さないセルビアとの対立続く==
1998年 コソボ紛争。対立激化、NATO介入、多くのアルバニア人が難民に。 ⇒ 独立はしていないがセルビアに属してもいない
2008年 セルビアからの独立宣言採択 ⇒ コソボ共和国成立。
スイスの選手は自身か両親・親戚がコソボ出身のアルバニア人だということです。