コロンビア もう一つの戦い。
いよいよ明日19日は、ワールドカップ対コロンビア戦が行われます。
コロンビアでは17日、国内でもう一つの戦いが行われました。
大統領選挙です。
コロンビアの選挙の争点は大きな特徴があります。
通常の経済政策などのほかに、「コロンビア革命軍との和平合意に○か×か」ということがあります。
コロンビアは、経済的にはほぼプラス成長を続ける堅実な国ですが、反政府ゲリラ組織、政府軍をバックにした武装集団、麻薬マフィアの勢力が強く、この勢力の争いが50年以上も続き、死者・行方不明者が30万にを超えるほど混乱してきました。
反政府ゲリラ組織の代表的な組織がコロンビア革命軍です。
コロンビアは1958年以降、二つの政党が政治を独占してきたことがあり、国民の不満が募りそれ以外の勢力として複数の組織が誕生します。コロンビア革命軍はそのうちの一つです。
コロンビア革命軍は1990年代麻薬産業を資金源として中南米最大のゲリラ勢力となります。
一方、2001年、アメリカで同時多発テロ事件が発生します。
アメリカはテロとの戦いを宣言し、テロ撲滅を徹底します。
コロンビアも例外ではなく、コロンビア革命軍を排除するためアメリカはコロンビア政府を支援します。
これをきっかけにコロンビア革命軍は徐々に弱体化し、2012年には政府はコロンビア革命軍と和平交渉を開始、2016年に和平合意が成立、当時のサントス大統領はノーベル平和賞を受賞します。
今回の大統領選挙は
・コロンビア革命軍と手打ちをしたことはよかったというグスタボ・ペトロ前ボゴタ市長
vs
・和平合意はこれまでさんざん暴力を駆使してきたコロンビア革命軍に対し甘い内容なのではないか、と考えるイバン・ドゥケ前上院議員
が争いました。
結果は、ドゥケ氏が勝利。和平合意は見直しされることになります。