トルコ大地震でなぜ救援活動が遅れているのか

2023年2月6日(月)現地時間午前4時17分、トルコで大地震が発生した。
震源は南東部のシリアとの国境付近。

このトルコとシリアの国境沿いのシリア側被災地域に支援が行きわたらないことが問題となっている。

これはシリアが内戦中だということが大きく影響している。

シリア国内の勢力図

2021年9月現在。wikipedia地図をベースに作成。

地図のようにシリアでは、アサド大統領とそれに対抗する反アサド勢力やクルド民族などが勢力を拡大しようと争っている。

このような地域では下記のような状況があって援助活動が妨げられている。

1.届けるルートがない。
2.援助活動を行うにあたり、現地との交渉を要する。
3.シリアにはアメリカなどが経済制裁をかけている。

1.届けるルートがない

トルコから陸路で国境を越えるには道や鉄道が必要だ。

トルコとシリアの国境線は長いが、実際の国境・通過ポイントはそもそも多くないのだという。
近隣の人々が日常的に利用する毛細血管のような道路はあるが、今回はそこが被災していて通れないのだろうと。
では、シリアから被災地域に入ることはできるか。
それは無理だと。
シリア領内を通って反アサド地域に支援に行くことはシリアが許さないからだと。

世界で難民支援を行っている国際NGO「難民を助ける会」会長で立教大学教授の長有紀枝さんが説明してくれた。

2.支援活動を行うにあたり、現地との交渉を要する

援助活動は人道的な見地から中立の立場で行うことが原則だ。

安全に受け入れてもらうには、アサド政権地域では、反アサドではない立場を説明し、反アサド地域ではアサド政権側ではないと説明し、納得してもらうという手順が必要になる。

3.シリアにはアメリカなどが経済制裁をかけている。

シリアで内戦が始まった2011年から、アメリカはアメリカ国民によるシリアへの投資と輸出の全面禁止などの大統領令を発出している。

またEUも石油および関連製品の取引を禁止、政府・軍の交換の資産凍結と渡航禁止、ほかアラブ湾岸諸国、トルコも制裁を行うなどで、”困ったときに助け合う”という関係では決してないというのが現状だ。

シリアでは、がれきの撤去や負傷者の治療に必要な重機や医療用機器が不足している。
シリア政府はこれはアメリカとEUの制裁によるものとして、解除を求めている。

国際NGO「難民を助ける会」ではトルコ地震緊急支援を行っています。

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